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戸田克樹のコラム
第567話「草を食べてなぜ肥える?」

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2026年10月8日

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配合飼料ももちろん食べますが、繁殖母牛や種雄牛などは採食のメインが乾草や生草であり、草で肥える(成長する)のが牛の特徴です。その理由はもちろんルーメンにあります。では、ルーメン内でどのような反応が起こっているのでしょうか

植物の繊維はセルロースで構成されています。
セルロースの化学式は(C₆H₁₀O₅)nで表されます。Cは炭素、Hは水素、Oは酸素で小さい数字はそれが何個あるかを表わしています。さらに、「C₆H₁₀O₅」がたーーーーーくさんつながっています」ということをnが表わしています。さらに、他の構成成分であるペクチンは(C₂₆H₃₆O₂₄)nです。簡単に言えば、植物の主成分は炭素と水素と酸素でできているということです。

そして、多糖類であるセルロースの最小単位が単糖類であるα-グルコース(ブドウ糖)です。この化学式はC₆H₁₂O₆で表されます。先のC₆H₁₀O₅に水分子(H₂O)が足された化学式になります。ちなみに、デンプンやセルロースなどの多糖類や二糖類が他の糖に分解できるのに対し、単糖類は他の糖に分解されることはありません。

多糖類が二糖類へ、そして単糖類へと分解される反応はいたってシンプルですが、ルーメンに住む原虫・細菌・真菌が糖類をエサとして利用することで、より複雑な分解反応が無数に行われています。そして、その結果として発生する分解産物は牛自身が利用できる形になっているのです。たとえば、牛が利用できる揮発性脂肪酸として有名なのが酢酸・プロピオン酸・酪酸の3つです。酢酸はCH₃COOH、プロピオン酸はCH₃CH₂COOH、酪酸はCH₃(CH₂)₂COOHで表されます。頭についているのがCH₃、お尻についているのがCOOHと共通ですので、この3つは形状が似ていることが分かります。

CとHとOで作られるセルロースやペクチンといった成分が、ルーメン内の微生物による分解によって、Cが2つある酢酸、Cが3つあるプロピオン酸、Cが4つある酪酸へと形が変化していくのです。

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