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戸田克樹のコラム
第213話「ハッチの床材②」

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2018年12月5日

おがくず(のこくず)で最も特徴的なのはその給水性です。糞尿の給水率やアンモニアの吸着率は断トツです。一方で乳頭糞線虫の住処になりうる、床がべちゃべちゃになればウジが発生してしまうこともある、などのリスクもあります。床が湿ってきたら新しいものを「ドサっと」追加して表層だけ新しくする、というやり方もあります。しかし、可能であれば定期的な交換を行い、衛生度をより高く保つ方がいいように思います。給水性が高い分、交換時には体力が必要ですし、腰痛持ちの方は要注意です(汗)。

一方でもみ殻は給水力がそれほどありません。しかしそれが武器にもなります。尿はどんどん下に落ちていきますので、子牛は常に乾いたもみ殻の上で寝ることになります。それはもうカサカサ&カサカサです。また、もみ殻は糞にくっつきやすいため、糞は「揚げ物のころも」をつけたような状態になります。衛生度を保つ上ではもみ殻は一番いいかもしれません。また、給水性がないのでその分軽く、とこ替えも楽に行えます。腰痛もちにも優しいです。しかしながら、床に厚く敷き詰めるだけのもみ殻を安定的に入手できる地域は限られていますので、おそらく一般的ではないでしょう。また、「殻」というだけあって硬くトゲトゲした感じがあります。「触れた感じがちょっと…」と感じる牛さんもいるかもしれませんね。牛さんに聞いたわけではありませんけど(笑)。

つづく

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