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松本大策のコラム
中国ワラの行方

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2018年10月12日

 なんだか急に朝夕が冷え込み、いきなり秋に突入したようですね。

 みなさんの地域では、稲わらの収穫量はどうでしょうか?
 今年は、台風や大雨、地震などの災害が多く、稲の倒伏や収穫不能に陥っている地域も多いようです。確保できる方は、なるべく集めておきましょう。

 中国ワラの輸入停止の噂というか、はっきりしない情報が乱れ飛んでいます。
 ある情報では「全面輸入停止」だというものもあれば、「アフリカ豚コレラは口蹄疫と違って空気感染ではない(経口などの接触感染かダニなどによる吸血感染)し、口蹄疫以降、しっかり燻蒸消毒施設が稼働しているので、輸入停止はない」というものまでさまざまです。

 農水省に問い合わせたところ、「稲わらの燻蒸消毒施設の半径50km以内でアフリカ豚コレラの発生があった場合、その施設で処理された稲わらは輸入を停止する」とのことでした。10月10日現在で、1カ所の処理施設が輸出停止になっているようです。

 このような状況では、正確な情報が届かなければ、粗飼料のパニック買いが起こり、いろいろな粗飼料が入手しずらくなり、毎回違う粗飼料を使わなければならないという事態が生じます。
 こういう時こそ、落ち着いて情報収集し、計画的に行動しましょう。

 もし、毎回違う粗飼料を使わなければならなくなった場合には、ソフトシリカやゼオライト、パイン粕などの吸着材を与える、アースジェネターやビオスリーなどの生菌剤と、トルラミンなどの酵母製剤で第一胃の環境を整える、と行った対処をしてあげましょう。
 僕の経験では、粗飼料の種類が変わると、2週間程度は食欲が安定しません。

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