(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
蓮沼浩のコラム
第536話:感受性結果の判断

コラム一覧に戻る

2018年9月20日

 鹿児島は朝夕涼しいのですが、結構残暑が厳しい毎日です。さすがに30度を超すと汗でぐっしょりとなります。寒暖差があるので体調管理には十分気を付けていきたいですね。

 シェパードでは現在積極的に細菌培養と薬剤感受性試験を行っています。抗菌薬の適正使用のためには避けて通れないことと認識しています。しかし、検査を実施しながら治療をしていると色々と考えてしまうことが出てきます。

簡単に言えば・・・・

「検査結果では感受性があると判断される抗菌薬をつかっても、症状の改善がまったくみられない事例がある」

ということです。感受性があるからもちろん効果はあるはずです。しかし、相手は生き物ですから簡単にはいきません。

 しっかりと薬剤が目的とする病原菌に届いているのか?
 薬剤の濃度はしっかりと病原菌を抑える適正な濃度になっているか?
 牛さんの病気に対する体力や抵抗力はしっかりとあるのか?
 そもそも牛さんのやられているダメージがデカすぎやしないか?
 本当の原因は別のところにあるのではないか?

 小生はあくまでも疾病予防の原則は牛さんの免疫力だと思っています。ワクチン接種による免疫も当然重要ですが、栄養状態、飼養衛生環境、飼育密度、移動ストレスなどは基本となる最重要項目だと思っています。この点をとにかくしっかりと抑えていくことが本当に大事だと思います。ここが出来て初めて抗菌薬の効力もしっかりと発揮できると思っています。感受性のある抗菌薬をつかうだけでなく、これらの点についても絶えず意識して治療等していきたいですね。

 と、偉そうなことを言っているのですが、先日導入したばかりの小さな金魚が5匹全滅・・・・。原因は急激な水替え、温度変化、不適切な給餌と分析しています。状態が安定するまでの管理の失敗です。油断していました。猛省!!

|