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松本大策のコラム
「人助けの時に自分を守る」

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2018年9月14日

 先日、巡回が終わって、友達と飲んでいたら、離れた席で飲んでいた方が突然倒れました。僕たちは「ガタン」という物音で気づいたので、どのように倒れたのか頭を打ったのかも解りませんでした。抱え起こしたらしばらくは意識があったのだけど、その後意識混濁に陥り、ライトを当てても縮瞳せず、尿失禁もあったので救急車を呼んで、そのあとご家族と連絡がつくまで同行していました。

 幸い意識も戻ったのですが、ここで伝えたいのは、こういう時みんな助けることに精一杯になると思うのだけど、こういう時こそ冷静に周囲の人への衛生も考えなくてはいけないということです。

 もしその人が出血していたら、激症肝炎の可能性もあるから、血液には誰も触れず、次亜塩素酸で消毒した方がよいし、血液に触れた人には、すぐに十分な手洗いをさせなければならない、などのことを考えなければなりません。

 これは、尿や唾液などにも言えることです。冷たく聞こえるかも知れないけれど、優しく正義感に燃える人ほどこういうことに注意しなければ、他人を助けるために自分や周りの人を危険にさらしてしまうのです。実際に、非番の救命隊員の方で、吐血した人を助けて、その血に触れたために自分が劇症肝炎に罹患した人もいるのです。

 人間として、窮地に陥っている人を見過ごさず助けるのは、とてもまっとうで正しいことです。それと同じように最大多数の安全を考えるということも、とても大切なことだと思うのです。

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