2018年9月12日 「後ろ足から出てきてるんだけどいくらひっぱっても出てこない」という連絡を受け診療に向かったときのことです。到着までに1時間近くかかりそうだったので、待ってる間に死亡してしまう危険性もありました。「もう少し頑張って引っ張ってもらおうか。でも過大仔なら母体の骨盤を壊してしまうし…」としばらく悩みましたが、農家さんに無理を言って待ってもらいました。 到着してすぐに産道に手をいれると、まさかの前足です。頭はたしかに触れませんが、粘り強く触診すると、尾側に首を曲げていただけでした。 足だけを触って頭からきているのか、おしりからきているのかを判断できるスキルは重要です。ここで間違えてしまうと、その後のアプローチも大きく変わってきます。
頭が触るかどうかではなく、肢だけで胎位を判断することができれば、獣医師を呼ぶ必要があるのかどうかなど、より冷静な判断を下すことができるはずです。 その後胎位整復はできましたが、残念ながら産道狭小のため帝王切開に。 |