2018年8月22日 診療現場でも非常に手をやくのが難治性の下痢をもたらすクリプトスポリジウムです。 こんな小さくて丸い、見た目のかわいいやつですが、感染性と病原性はピカイチです。 危険① 生後1か月以内の免疫力の未発達な時期に感染が成立してしまうこと。 クリプトスポリジウムは消毒薬の効果がないため、一度牛舎に侵入してしまえば除去するのはほとんど不可能に近いです。治療も基本は子牛の免疫力で病原体を排除できるようになるまで、体力が弱らないように点滴などでサポートするくらいしかできません。病原体の早期排出のために、炭などを飲ませるのも効果的ですが…。 しかしながら、「これをやれば完璧!」という方法はありません。 分娩前の増飼や母体の管理を徹底し、元気で免疫力の強いクリプトに感染しにくい子牛を産ませるしかありません。 ちなみに、人間にもうつります!笹崎獣医師はひどい目にあいました(笑)。子牛の下痢に触ったら、手洗いを徹底しましょう。 前の記事 第198話「子牛の下痢が悩ましい!⑳~ロタ・コロナ~」 | 次の記事 第200話「母校に登校」 |