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笹崎直哉のコラム
体内で作られる有害な酸素 その3

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2018年5月29日

 皆様お疲れ様です。先日ダンスの勉強会に行ってきました。熊本まで行ってきたのですが、子供達から社会人まで様々な世代が集まり、とても良い刺激になりました。しかし練習会が後半に差し掛かっていくとキッズが「おじさん、この技教えてよ。これどうやってやるの?」という要望が一気に集まったのでそれに応えていたら、もう体はヘトヘトになりました。終いには私からキッズの方に「ごめん。おじさん体力がなくて疲れちゃったから休ませて」と提案する羽目になりました。もちろん翌日は全身に筋肉痛が走り、仕事どころではありませんでした。情けないです。ショックです。努力が足りませんので、もっと鍛えます(泣)。
 
 
 さて今回はビタミンCについて話を進めていきます(以下VCと略称させていただきます)。

 VCは抗酸化作用の他にコラーゲンの形成、コレステロールやアミノ酸、ホルモン代謝、免疫能の増強など多様な機能性があります。VCは水溶性で、牛さんに経口で給与したとしてもルーメン内で容易に分解されてしまうというデメリットがあります。ですからルーメンの分解量を見越して大量に投与するか、ルーメン内での分解から保護された製剤を用いる必要があります。

 しかし、その一方で健康な肝臓では十分量のVCが合成されていると考えられています。そうなんです。牛さんはVCを体内で合成することが出来るのです。肝臓で合成されたVCは経口的に摂取されたものと一緒に体内を駆け巡り、様々な代謝の過程で消耗され、過剰なVCは尿からそのまま排泄されることになります。

 この話の流れからVCが欠乏することはないのでは??といった怪しい雲域模様ですが、実は牛さんでは輸送、寒冷、暑熱といったストレス、病気に陥ると血中のVCが低下することが分かってきました。加えて肥育のステージに入っていくとその進行に伴って血中VCの低下が恐れられています。
肥育の牛さんでは実験によりVCは牛さんの脂肪前駆細胞の分化を促進することが明らかになっていますので、肥育牛に対するVCの投与は脂肪交雑や肉のキメおよびシマリなどが向上するといった報告もあります。ビタミンAと組み合わせて考えていったらどうなるのでしょうか?まだまだ未知な領域が多いとされるVCです。私もVCに関しては普段の診療時において意識が浅いものですから、これを機会に触れていきたいと思います。
 
 
 
 
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