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戸田克樹のコラム
第180話「勘弁してくれい!」

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2018年4月11日

診療の電話がなりやみません。
コラムの締め切りもすっかり忘れていた戸田はいま大慌てでこの文章を作成しています。

いまの時期はどんな電話が多いでしょうか

「先生!牛がしりから血を出しとる!」

とか、

「うんちの中からへんなの(偽膜)がでてきたぞ」

とか、

牛飼いさんを悩ませる出血性腸炎(血便)の大量発生でございます。

春になると急に増えてきます。
やつらが目を覚ましたのでしょう。

そう、やつらとはコクシジウムさんです。

糞便検査をすると、それはそれは嫌になるくらい顕微鏡越しにコクシジウムの虫卵を見る毎日です。なんならこの時期の血便は検査しなくてもコクシジウム濃厚感染で断定してしまえ~!とやけになってしまいそうになるほどです(笑)。

春先の血便ではコクシジウムの「重度感染」に要注意です。
糞便検査では尋常ではない数の虫卵が発見されますからね。
ここでポイントになるのが治療に加えて「とこ替え」を早期に実施することです。
治療でよくなってもまた床で生きているやつらに「再感染」してしまったり、同居牛にどんどん「感染拡大」してしまいます。

治療が長引くとこんなものが出てくる「偽膜性腸炎」という重篤なステージに移行してしまいます。恐ろしや

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