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笹崎直哉のコラム
腸管についていろいろ その1

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2018年3月27日

 普段牛さんを飼っている中で「どんな便をしているかな」という便性状のチェックは欠かさず行っている方が多いと思います。もちろん牛さんのお尻が汚れていないか、鎧がついていないか等、下痢の発見に徹するのは非常に大事なのですが、今回は糞便の柔らかさについては触れず、正常便について話をしていこうと思います。

 皆様は便のツヤ(光沢とかテカリといった方がわかりやすいかもしれません)について着目されていますでしょうか?実は正常な絞まりのある便を確認した際、表面にツヤがありピカピカしている便の方が腸の中の粘液が十分に分泌されている証拠になり、腸が健全に働いていることを示しています。腸の中で特に大腸は粘液の分泌に富んでおります。大腸の上皮細胞と腸内細菌叢の間には内粘液層、外粘液層が存在し大腸内に入ってきた内容物が通過していく際に粘液の分泌がしっかりとされていればいるほど糞便に光沢があり腸が健康かどうかの指標になります。

つづく

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