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松本大策のコラム
質問箱から(その18)~子牛の換気と保温について~

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2018年3月26日

◎ご質問・ご相談コーナーへご投稿をいただいた質問と回答の内容をご紹介いたします。

ご相談内容

 今年の冬は寒暖差が激しく、冷え込む日も多かったので、子牛で肺炎が多発してしまいました。夜は哺育舎のカーテンを閉め切って帰宅し、朝カーテンを開ける用にしていたのですが、朝はアンモニアの匂いが立ち込めてる状態でした。

 いろいろな先生に伺うとアンモニアガスも肺炎の誘因だと伺い、昼間はスプリンクラーによる消毒、直下型の換気扇、夕方は上下あるカーテンの上を開けて帰宅しております。

 他になにかいい方法があれば教えていただけないでしょうか?

回答

 換気する際は、風速30cmを超えないようにした方が子牛のためにはよいです。というのも、「風の冷却効果(wind chill factor)」といって、風速1メートルごとに体感温度が3~4℃低下するからです。可能でしたら、子牛小屋(4~6頭入る犬小屋のような感じでヒーターを付ける)を設置し、床からの冷気遮断のために100円ショップで売っているバスマットを敷いてやり、その上で畜舎は開放にするのがよいと思います。

 子牛小屋は、コンパネで作れば安くつきますし、カーフジャケット代と比較しても耐用年数から行けばかなり安価になると思いますよ。

 アンモニアガスが気になるようでしたら、ジェット煙霧機(プルスフォグなど)でグルタプラスを散布すると、グルタルアルデヒドがアンモニアと結合して除去されますし、空気の殺菌にもなります。グルタプラスの煙霧については、違うお考えの獣医さんもいらっしゃるようですが、僕はコンサル先では実施していただいていますし、グルタプラスによる障害の経験はありませんし、十分効果を実感しています。法的にも、牛舎消毒の際、不可抗力で牛さんにかかるものについては認められていますから問題ありません。

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