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戸田克樹のコラム
第176話「子牛の下痢が悩ましい!⑧~お母さんの体調は大丈夫でしょうか~」

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2018年3月14日

一般的に、生後1か月未満では細菌だと「病原性大腸菌」、ウイルスだと「ロタウイルス」、原虫だと「クリプトスポリジウム」の3つが治療を要するような強い下痢をもたらします。
それ以降になると有名なコクシジウムが原因となるケースが多くなってきます。


週齢→と病気の一覧

これらについてはまた別の機会にお話しするとして、今回は母乳そのものが下痢の原因になるケースについてのコラムとなります。

母乳が原因で起こった下痢は「母乳性白痢」と呼ばれます

1. 母牛が発情を示している場合
2. 母牛の栄養状態が悪い場合

に母乳性白痢は発生してしまいます。

発情による白痢にはホルモンバランスが関連していて、バランスが変化した結果、アルコール不安定乳ができてしまいます。

栄養状態が悪い場合には正常な代謝サイクルが回っていかないため、通常では体内に蓄積されないはずのケトン体が増え、ケトン乳ができてしまいます。

アルコール不安定乳?
ケトン乳??
なんぞ、それ???

では、それぞれ白痢をもたらす残念なミルクになってしまうのでしょうか。

つづく

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