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笹崎直哉のコラム
しっかりと初乳を飲んでいても その1

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2018年3月13日

 皆様お疲れ様です。「もう3月か!!」最近の口癖です。早いもので今月が終わると同時に、入社して丸2年になるところです。農家さんのお役に立てているだろうか?常に心配していますが、鹿児島弁でさえ、少しも習得していないので不安ばかりが募る笹崎です。

 さて今回は初乳の話です。繁殖農家さんで「子牛が無事生まれて、生まれた後はしっかりと自分で立ち上がってお母さんのおっぱいを飲みにいったよ」という報告をもらっても、その後子牛が下痢や発熱、活力の低下を起こしてしまい、いざ血液検査を実施し検査項目を順にみていくと「初乳を飲めていないのではないか」という結論に至るケースが少なくありません。なぜこのようなことが起きてしまうのか?残念ながら、しっかりと子牛が生後充分量の初乳を飲めていても血中に反映しないときがあるのです。これを「受動免疫移行不全」といいます。初乳から獲得できる免疫(代表として免疫グロブリンIgG)が十分に子牛へ移行しなかったときのことを指します。原因としては出生時の子牛の発育が悪かったり、虚弱であったりなど子牛側の要因も考えられるのですが、お母さん牛にもその原因があり、非常に重要なポイントとなっているのです。

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