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蓮沼浩のコラム
第508話:獣医師の人数雑感 その7

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2018年2月22日

 出張中に家に電話をかけると、カミさんから家族全員がインフルエンザにかかっているとのこと。。。ま、まじか!!ど、どうしよう・・・・。
 
 
 先日大学の先生とお話しする機会があり、獣医師の人数について色々聞いてみました。すると、やはり小動物臨床志望の学生が多いことは間違いないとのことでした。ただし、これからについては気になる点もあるとのこと。それは、動物病院の数は増えていても、犬の飼育頭数が年々減少していることです。ここ数年、毎年犬の飼養頭数が減少していることから、このままの調子で小動物臨床の先生が増えるとあと10年もしない内に、小動物病院は飽和状態となる可能性が非常に高いということです。現在も一部の地域では動物病院が乱立し、病院同士でかなりの競争が起きているようです。調べてみると、犬の飼育頭数は2012年で11,534,000頭、2016年で9,870,000頭になっています。1,664,000頭の減少です。結構減っています。ちなみに猫は9,847,000匹で現状維持みたいです。これからは小動物臨床の世界は産業動物の世界と違って、獣医師の人数が飽和してしまうという問題があり結構大変そうです。

 やはり一番の問題は、小動物臨床に獣医師が偏ってしまうことをあげられていました。まあ、畜産農家さんの戸数も毎年減少を続けているので、簡単に比較はできませんが、今後はバランスよく獣医師がばらけてくれたら良いのですが、なかなか難しそうです。ただ単に獣医師の人数が増えれば良いという問題ではなさそうです。ある国立大学の獣医さんの就職説明会には、30人の学生に対して、500近くの病院などが説明会に参加希望したそうです。ひえ~~、これまたパンチが効いていますね。とにかく、地道に産業動物獣医師の魅力を伝えることができるように頑張っていくしかなさそうです。

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