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戸田克樹のコラム
第164話「身近な解熱鎮痛剤⑩」

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2017年12月6日

12月に入りました!サンタさんが来ます!
でもうちには暖炉も煙突もない…。まずは暖炉と煙突セットをお願いしなくちゃならないのか

デキサに次ぐ強力な解熱鎮痛薬のグループを今回はご紹介します。
それがNSAIDs(エヌセッズ、もしくはエヌセイドと呼ばれます)。
日本名称は「非ステロイド性抗炎症薬」と言いますが、名前の通りステロイド(デキサ)ではない、炎症をおさえる薬です。

この薬が作用するのはデキサを紹介したときにも出てきたアラキドン酸カスケードです。
デキサが細胞膜からアラキドン酸を合成する酵素であるホスホリパーゼA2のはたらきをジャマするのに対し、NSAIDsはシクロオキシゲナーゼの作用を阻害し、プロスタグランジンG2の産生を抑制します。

アラキドン酸を作らせてしまいますが、炎症を呼び起こす物質のもととなる「プロスタグランジン」をつくるのをジャマしてくれるのです。アラキドン酸からプロスタグランジンG2を作る酵素がCOX(シクロオキシゲナーゼの略。コックスと呼びます)なので、NSAIDsは「COX(コックス)阻害薬」とも呼ばれています。

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