2017年11月17日 ◎ご質問・ご相談コーナーへご投稿をいただいた質問と回答の内容をご紹介いたします。 ご相談内容 先日・飼育しておりました、未経産の繁殖牛(1歳と2ヶ月)が急性肝炎の診断で屠場に行ってしまいました。 飼育方法はマニュアル通り行っていたのですが、乾草はオーツヘイ・チモシー/日 2キロ、配合飼料 オールインワンの飼料を朝晩1・5キロ、その他あぜ草・稲ワラを自由給餌で飼育していたのですが、急性肝炎にかかってしまった原因がわかりません。もし何か原因などが、あるようならお教えください。この他にも育成牛がおりますので、早急に対応したいと思っておりますので、ご連絡お待ちしております。 血液検査結果は以下のとおりです。 デ-タを見る限りかなりの劇症急性肝炎のようですね。γグロブリンも上がっていなくてアルブミンも維持されているとなると(本当はコレステロ-ルもあると肝臓の機能がわかるのですが)、すごく急性に肝細胞が破壊されたようです。農薬や殺虫剤などの毒物の可能性はありませんか?またワクチンなどの薬剤によるアレルギ-反応でも起こります。 第一胃の異常発酵によって発生するエンドトキシンも、もっとも牛さんの肝炎の原因としては多い部類です。第一胃の発酵異常は、えさの不良、給餌時間の不一定、ストレス、気圧の急変動などで起こります。 しかし、この急性肝炎のGOTの上昇は著しいので、第一胃の異常発酵よりもほかの原因が疑われます。あと、ほかの牛と闘争したような形跡はなかったですか?物理的な肝破裂でも細胞が壊れればこういう値が出ます。下痢とかの前駆症状はいかがだったでしょうか? 予防に対する回答 ストレスのかかりそうな時期(群編成や削蹄、除角など)には、出来ればストレスのかかる前日より5日間ほど、モラフィットという固形の糖蜜(ゼノアック製でGABAという、ストレスの時に安定を図る物質が必要量含まれています)を、投与してあげる。便の異常時や飼料を残すなど、第一胃の異常発酵が疑われる場合などは、アースジェネターを2倍に増やし(給与していない場合は10g与えてみてください)、ゼオライトやソフトシリカなどの、第一胃内毒素吸着剤を与えること、リカバリーMを100gくらい与えて、肝臓の保護を図ること、くらいでしょうか。 とにかく異常が疑われる場合は、獣医さんに見てもらうようにしましょう。 前の記事 質問箱から(その4)~肥育牛導入時のビタミン投与について~ | 次の記事 牛さんが立てないとき |