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蓮沼浩のコラム
第494話:海外と和牛

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2017年11月9日

 先日「米国向け牛肉の携帯品(おみやげ等)輸出について」という報道発表がありました。今度から牛肉の個人消費携帯品(おみやげ等)に関しては、約22.6kg以下であれば動物検疫所の検疫手続きなしで米国に持ち込むことができるようになりました。海外から安い牛肉が入ってくることに対抗して、是非とも空港に和牛や国産牛をお土産用に販売するお店が出来てくれればいいですね。アメリカに行かれる方たちにお土産として和牛のお肉を持って行ってもらったら、きっと向こうの消費者の中にもファンがたくさんできてくれるのではないでしょうか。飛行機内での温度管理など難しい問題もあるかもしれませんが、是非ともお気軽にお土産として買える状況ができたらいいですね。

 さらにマレーシアにも輸出が解禁になっています。これはイスラム圏への輸出なので、特別なハラール方式という方法で食肉処理ができる施設に限られていますが、今後イスラム圏への牛肉の輸出に弾みがついてもらえるといいですね。将来的に東南アジアだけでなく、中東に約950店ある日本食レストランで使ってもらえたら、これまた非常に面白いですね。アラブの人たちが和牛を食べている姿など想像ができません。どんな反応を示してくれるのか非常に興味深いです。

 海外にある日本食のレストランが2015年の約8.9万店から、2017年は約3割増しの11.8万店に増えているそうです。海外輸出のチャンスも広がってきているのではないでしょうか。法律や食文化など国によって様々な違いがあるので簡単にはいきませんが、これからの時代は海外との取引の重要性が益々高くなってくるのではないかと思っています。

 東京オリンピックでは世界中から日本に各競技の選手のみならず、多くの観光客の方たちが来られます。日本に来て和牛を食べて、一人でも世界に和牛のファンができてくれればいいな~などと思っています。貿易に関しては本当にむずかしく、厳しい見方が多いですがきっとチャンスもあるはずです。

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