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蓮沼浩のコラム
第483話:基本に忠実に使用しましょう

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2017年8月24日

 北国の出張から帰ってきて鹿児島空港に降り立った時、あまりの暑さにビックリ仰天。ここまで暑くなっていたのか・・・・。歩いているだけで汗が噴き出る状況に、改めて人様だけでなく、牛さんの暑熱対策の重要性を感じてしまいました。
 
 
 牧場には実はたくさんの「粉」や「液体」があり、それらを水やお湯で溶かして使用することがあります。「粉」の代表例で言えば粉ミルク。いわゆる代用乳ですね。これには各メーカーで推奨される温度や希釈倍率があります。ただ、現場を回っているとこの基本的なことを確認せずに、おろそかになっている例が結構あります。温度などは特に注意しないとすぐに下がってしまいます。希釈倍率もメーカーが変わった時などは必ず確認するようにしましょう。

 もう一つの「液体」に関しては、消毒薬がよく現場で間違って使われていることがあります。特に消毒薬の場合、濃ければ濃いほど効果が高いという考えで、原液を薄めずに使用している事例に時々遭遇します。確かに消毒薬は濃度が濃いほど効果が高くなるものもあります。しかし、濃くしすぎることで強烈な副作用がでることがあるので要注意です。例えば白癬に感染している部位に逆性石鹸を原液で用いたり、畜舎消毒で呼吸器病が増えているので消毒薬の効果を高めようと濃度を濃くして散布したりする事例があります。重度の皮膚炎になってしまったり、呼吸器病が消毒することで多発したりするなど、どちらも非常に危険ですので絶対にやめましょう。

 消毒薬には畜舎消毒や畜体の消毒に使用するための濃度がしっかりと書かれているので、その濃度をしっかりと守って使用してくださいね。ただ、消毒薬の難点は容器に書かれている文字が非常に小さく読みづらいということがあります。おまけに、牧場にずっと放置されているようなものは文字がすれて読みにくくなっています。使う時は一度獣医さんや指導員さんに見てもらってから使った方がいいかもしれませんね。消毒薬の中には生体に対して毒性が強いものもあります。これらの事も注意していく必要があります。濃度や温度など基本的なことなのですが、意外と見落とされていることがあるので、注意して見てくださいね~~。

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