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笹崎直哉のコラム
Strategy(5)~貧血~

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2017年5月30日

 皆様お疲れ様です。先日休みの日に外に出たら、晴れていたのですぐさま飛行機を差し押さえ、東京スカイツリーに行ってきました。浅草駅で降り、人形焼を食べながらスカイツリーに向かって散歩。やっとのことでエントランスエレベーターに乗って(長蛇の列だったので1時間待ちでした 汗)地上400m地点に向かい動き始めました。と思いきや、30秒ほどでもう到着。いや~なんといっても速い。そして高い。

東京タワーはいよいよ乏しい建造物にしか見えないくらいでした。個人的には隅田川が一望でき、水上バスの運行風景を見るのが好きでした。次は夜に行けたらいいなと思います。

 それでは前回のコラムの続きに入ります。赤血球の喪失が発生しているときは、可視粘膜が蒼白になったり、顕微鏡で赤血球の再生像(大小不同の血球像)が確認できます。しかし獣医師さんは実際に血液検査の数値でも今回のようなケースの貧血を判定することができるのです。ではその指標となる項目というのは主に以下のようになります、、、

 ① MCV:平均赤血球容積(基準値 46~54 fL)
 ② MCHC:平均赤血球ヘモグロビン濃度(基準値 32~39%)

簡潔に申しますと①は赤血球の平均的な体積を表し②は赤血球1個あたりにどのくらいヘモグロビンが入っていますか、というものを訴えた項目となります。
前回紹介した難産の症例なのですが、血液検査結果は①MCV 62.2 (fL) ②MCHC 30.1 (%)でした。お分かりの通りこれで大球性低色素性の貧血だと判定することができ、「身体の何処かで血が失われていて、骨髄や腎臓が頑張って赤血球を作っている」と推測することが可能になってくるのです。
イラストで少しアレンジしてみましたのでそれもご覧ください

 さて次回は子牛の3日目の鉄剤注射に関わる生理的貧血(鉄欠乏性貧血)について紹介します。

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