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そんな天災とも人災ともいえるBSE騒動の中、ヤケクソで始めた牛肉の直売でしたが、それが逆に色々な事を教えてくれました。 私は自分で牛は飼っていますが、お肉に関してはズブの素人です。自分が育てた牛がパックの商品になった時なんとも言えない満足感と責任感が湧いてきました。その時、本当の食の安全、安心を自覚しました。お客さんが直売で購入される牛肉代には、私共への安心料も含まれているのだと。また、同じ牛でも部位によっての売りの難しさも知り、お肉屋さんの苦労がよく分かりました。 また、ここ2〜3年の傾向ですが、年輩(50代後半から)の方で女性のお客さんの中に霜降り肉を嫌う人が増えてきました。今問題になっているメタボリック症候群はこんな所にも影響するのか・・、と。日本の人口推計から見るとこの傾向は益々強まる気がします。贈答時期は別ですが、通常時には3・4等級の脂が良質で赤身の旨味成分のアミノ酸含量の多い牛肉が求められるのかな?と感じています。(異議もあるかと思いますが、あくまで僕の主観ですので、ご了承ください。) これまでは、脂肪交雑(サシ)さえあれば高く売れるとの固定概念が強く、神経質になり過ぎてビタミンA欠乏症からくるズルや枝重量が軽いという事が度々ありました。松本先生のお話で、「ビタミンAは欠乏させるのではなくコントロールしてあげる事が大切だよ。」と教えて頂きました。Aが多いと良い牛が出来ないと脅迫感さえ持っていた時期にこのお話はまさに目からウロコでした。現在牧場では、仕上げまでは牛にモリモリ食べてもらえる様心掛けています。やはり牛も人間も美味しく食べる事が一番の幸せかなと、思う今日この頃です。(笑) (つづく) |