秘境の郷の牛飼いだより　～第１回～

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2016年9月17日

① 自己紹介

　皆さんこんにちは、これから暫くゲストとしてシェパードのコラムに掲載させて頂くことになりました、宮崎県椎葉村の椎葉　勇（妻、智代美）と申します。シェパードのスタッフとして仕事をさせて頂いている椎葉絢香の父でもあります。宜しくお願いします。

　まず私が住んでいる椎葉村の紹介をしたいと思います。九州の真ん中に位置する椎葉村は急峻な山々に囲まれていて、９７％が山林という日本三大秘境のひとつである山村集落です。

　８００年前の源平合戦の後、平家の残党が隠れ住んだといわれ、平家方の鶴富姫と追討に来た源氏の那須大八郎宗久（那須与一の弟）との悲恋物語が今も語り継がれています。全国に数ある平家落人の里で源氏と平家が結ばれたところは珍しいそうです。

　また、民謡ひえつき節をはじめ、沢山の民謡が歌い継がれています。

　近くには高千穂町があり、昨年１２月には「高千穂郷・椎葉山地域」が世界農業遺産に認定されました。周辺５町村が山間地農業（山腹水路と棚田、木材生産、シイタケ栽培、肉用牛生産、茶栽培、焼畑）と神楽などの伝統文化継承で認定されました。

　椎葉は日本の民俗学発祥の地であり、焼畑や狩猟、神楽、山菜、川魚料理など豊かな山里の暮らしを継承しています。

　このような山のなかでも黒毛和牛の繁殖経営が行われており、農家の貴重な収入源となっています。この山中での畜産経営を紹介していきたいと思います。

つづく

宮崎県椎葉村　椎葉 勇