(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
蓮沼浩のコラム
第449話:ホルスタイン種雄牛の名前

コラム一覧に戻る

2016年9月8日

 最近「ステーキ・レボリューション」という映画をレンタルしてみました。その中にスペインの牛で体重2tという肉牛が出てきます(本当に2tあるのか?と少し思いましたが・・・)。牧草で約7年飼うそうです。世の中は本当に広いです。ただし、日本の和牛も世界で十分通用します。間違いありません。

 小生は基本的には肉用牛専門の獣医師なのですが、乳牛に接する機会も少しあるのでいろいろと勉強しています。そのなかで最初に一番驚くことは、種雄牛の名前のすごさです。普段はとにかく「平茂勝」とか「神高福」とか「なつえ2」とか漢字やひらがなの名前ばかり見ているところへ、突然「オーケーファーム ハート ランカスター ET」とか、「エンドリッチ ブラックマーシャル タブロイドET」などという名前。もちろん乳牛専門の方々が見れば、すぐに「ああ、あの系統だね。この系統はこういう特徴があるんだよ」などとわかると思うのですが、肉用牛の世界にどっぷりと浸かっている小生はもうサッパリわかりません。正直言って、なんじゃこりゃ?の世界です。タブロイドって雑誌のサイズのこと?みたいな感じです。

 そして、もう一つ驚くことがあります。それは、種雄牛ごとにそれはもう細かく、いろいろな特徴が点数化されていることです。乳蛋白、足の角度、後乳房の高さなどそれこそあらゆることが数字で評価されています。これらの情報はいわゆる乳牛の世界で「赤本」と言われている「乳用種雄牛評価成績」を見ると詳しくのっています。そして乳牛のランキング表もあります。このランキングが年に何回か更新されているのです。肉用牛の世界とはまた別の広い世界がありますね。本当に勉強することは尽きません。


これがいわゆる乳牛の「赤本」。すごいデータが詰まっています!

|