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有留直暉のコラム
第6話 人獣共通感染症⑤

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2026年10月26日

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以前までのコラムで、寄生虫に分類される「クリプトスポリジウム」と真菌に分類される「皮膚糸状菌」について紹介しました。今回は細菌についてです。

細菌でも牛や犬、猫など動物と人との間で同じ細菌が感染するものはいくつかありますが、今回は「破傷風」について紹介します。

破傷風菌はClostridium tetani(クロストリジウム テタニ)と呼ばれる破傷風菌により引き起こされる感染症で、細菌が作り出す毒素によって痙攣などの症状が起きます。この菌は偏性嫌気性と呼ばれる性質を持ち、酸素がある環境では発育できません。また、芽胞(がほう)という固い殻の様なものを持ち、熱や乾燥、寒さなどに耐性を持ちます。そして、なんと日本を含む世界中の土壌中にいることが知られています。身近な所にもいるのです!皮膚に傷がある、釘など鋭いものが手に刺さることで、菌が入り感染します(人から人へ、牛から人へ感染することは通常ありません。)。牛舎内で、柵が腐って鋭利になっていたり、柱の釘が飛び出ていたりすると危ないですよね。その様な場所は、やすりで磨いて丸くしたり、取り除ける場合には取り除いたり、テープで覆うなど対策ができればよいです。

ちなみに、この菌の培養と治療法を開発したのが、最近1000円札の肖像画になった、北里柴三郎です。今からおよそ130年も前の感染症が何かもはっきり分かっていなかった時代に成し遂げるなんてすごいですよね。

つづく

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