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橋本匠護のコラム
牛の療養食 肝炎編①

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2026年8月28日

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これまで肺炎や尿石症、腎不全の牛に対するエサについてご紹介してきました。今回は、肥育牛の肝炎について考えてみたいと思います。

肝炎とは、肝細胞が傷つき、肝臓に炎症が起きている状態です。肝臓は、吸収された栄養素の代謝や有害な物質の処理など、さまざまな働きを担っています。そのため、肝臓の状態が悪くなると、食欲低下などの症状を示すことがあります。一方で、特徴的な症状が出ないこともあり、診断には血液検査などの結果も重要です。

肝炎には感染や中毒など、さまざまな原因があります。その中でも現場で遭遇するのは、エサ、特にルーメンアシドーシスが原因の肝炎です。肥育牛では濃厚飼料を多く給与するため、ルーメン内のpHが低下し、酸性に傾きやすくなります。さらに、粗飼料の不足、給餌時間や給餌方法のばらつき、急な飼料変更や増飼なども、ルーメンアシドーシスを引き起こす要因になります。

ルーメンアシドーシスになると、ルーメン内でLPSと呼ばれる細菌由来の物質が増加します。このLPSが体内へ移行すると、肝臓に運ばれて炎症反応を引き起こすことがあります。また肥育牛のビタミンAや亜鉛が不足していると、ルーメンの粘膜機能が低下してアシドーシスによる影響を受けやすくなります。

つまり、肝臓に異常がみられていても、その原因が肝臓だけにあるとは限りません。肥育牛では、その背景にルーメン環境の悪化が隠れている場合があります。そのため肝炎の牛に対して、注射などによる治療に加えエサからもアプローチすることもあります。

次回は、肝臓をケアしながらルーメン内の環境を整えるためのエサについて考えてみたいと思います。

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