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橋本匠護のコラム
牛の療養食 尿石症編②

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2026年6月26日

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前回のコラムでは、尿石症の発症にはミネラル、タンパク質、ビタミンA、飲水量などが関与することを紹介しました。これらの要因に注目してエサや飲水管理を調整することで、尿石症の治療や再発予防を後押しできることがあります。なかでも、タンパク質、ビタミンA、飲水管理は比較的見直しやすく、現場でも調整を提案することはボチボチあります。

牛ではエサのエネルギーに対してタンパク質が過剰になると、尿がアルカリ性側に傾き、尿路結石が形成されやすくなります。そのため、タンパク質の過剰が疑われる場合には、エネルギーとタンパク質のバランスを見直します。特に毛がボサツいて痩せている牛では、エネルギーとタンパク質のバランスが崩れていることがあります。

このような場合には、大豆粕などのタンパク源を一時的に減らします。またトウモロコシなどの穀類を単味で給与したり、穀類を多く含む肥育飼料を利用したりして、エネルギーを補給することも検討します。

ただし、穀類を過剰に給与するとルーメンアシドーシスを招くことがあります。そのため、粗飼料と濃厚飼料のバランス(粗濃比)には十分注意する必要があります。

ビタミンAは尿路上皮の正常な維持に重要で、不足すると尿石症を助長すると考えられています。そのため、ビタミンA不足が疑われる場合には、注射や添加剤による補給を行うことがあります。

飲水不足は尿を濃縮させ、結石形成や再閉塞のリスクを高めます。ウォーターカップの汚れや故障がないかを定期的に確認し、十分に飲水できる環境を整えることが大切です。特に冬場は飲水量が低下しやすいため、温水を利用することも有効です。

尿を酸性側に傾ける目的で、塩化アンモニウム製剤(ゼノストン、カウストンなど)を利用することもあります。これらはストルバイト結石の形成抑制を目的として、現場でも広く利用されています。一方、ルーメンアシドーシス対策として重曹を給与している農場もあります。しかし、重曹は尿をアルカリ性側に傾けるため、ストルバイト結石の形成を助長する可能性があります。そのため、尿石症の牛では重曹の給与を減らすことが多いです。

尿石症では、投薬や手術だけでなく、飼料設計や飲水環境の見直しが治療経過に影響することがあります。治療と並行してエサの内容を確認することも、再発を防ぎ、治癒を後押しするための一つの方法です。

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