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橋本匠護のコラム
薬剤による分娩誘起の注意点 前編

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2026年5月8日

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最近は血統改良により、出生時から体格の大きい子牛に遭遇する機会が増えてきました。それに伴い、過大子による難産リスクが高そうな母牛に対して、PG製剤などの薬剤による分娩誘起を実施する場面もチラホラあります。


過大子の分娩は母子共に負担が大きくなりがちです

実際に今年度から共済制度においても、過大子など難産リスクが高い母牛に対して分娩誘起が保険適応されるようになりました。これまでは、妊娠期間が一定日数を超えた“長期在胎”に対してのみの適応でしたが、制度面でも少しずつ考え方が変わってきています。

薬剤による分娩誘起には、妊娠期間の過度な延長による難産リスクを減らす目的があります。加えて分娩時間をある程度コントロールすることで分娩事故を減らす、さらには農家さんの負担を軽減するといったメリットもあります。

一方で、分娩誘起にはメリットだけでなく注意すべきポイントもあります。私自身、以下のようなポイントを意識しながら、分娩誘起の実施を慎重に判断しています。

ポイント1:最終授精日・分娩予定日
ごくまれではありますが、最終授精日の認識違いによって、予定日を過ぎていないにも関わらず分娩誘起が行われてしまうケースがあります。予定日前でも予定日に近ければ何とかなるかもしれませんが、1ヵ月以上前のようなケースでは胎子の生存などに影響してきます。

外部から妊娠牛を導入した場合などは注意が必要です。最終授精日が少しでも怪しいと感じた場合には、導入元の農家さんへ再確認してもらうようにお願いしています。

また、直腸検査やエコー検査で胎子サイズを確認することも重要です。実際に、「予定日を過ぎている」と言われていた牛を診察した際、胎子サイズが小さかったため再確認してもらったところ、予定日を過ぎていなかったというケースもありました。

人工授精ではなく自然交配で妊娠している場合も、実際の授精日が大きくずれていることがあるため注意が必要です。

次回に続きます・・・

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