(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
蓮沼浩のコラム
第868話:新しい害獣対策

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2026年3月17日

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3月19日に予定されている日米首脳会談。どうなるのかかたずをのんで見守りたいと思います。強制ハードモード設定オンとなりそうな気配です。どうなることやら・・・。

いま世界中で、ドローンがさまざまな分野で活用されています。ほんの数年前まで小生にとってドローンはどこか遠い世界の話のように感じていました。しかし初めてその姿を目にしたとき、まるで未確認飛行物体のようなその挙動に、大きな衝撃を受けたことを今でも鮮明に覚えています。
現在では、ドローンは空撮や測量、インフラ点検、物流、そして農業分野にまで広く普及しています。特に農業においては、防除作業の省力化や効率化に大きく寄与しており、人手不足が深刻な現場においては欠かせない存在になりつつあります。そのような中、先日ある新聞記事を読んでいて、小生は思わず感嘆の声をあげてしまいました。
 
それが、BB102と呼ばれる害獣対策用のドローンです。これは忌避レーザーを搭載し、鳥獣を追い払うことを目的に開発されたものです。農業や畜産の現場において、害獣による被害は年々深刻さを増しています。カラスによる飼料の食害、イノシシやシカによる農地の荒廃、さらにはアライグマやハト、サギなどによる衛生リスクの増大など、その影響は決して小さくありません。従来の対策としては、電気柵やネット、音や光による威嚇、人による見回りなどが主流でした。しかしこれらは設置や維持に手間がかかり、効果にもばらつきがあるのが現実です。また、野生動物は学習能力が高く、同じ対策を続けていると次第に慣れてしまい、効果が薄れていくという課題もあります。
 
その点、このBB102は極めて実用性の高いシステムです。グーグルマップ上で飛行ルートを設定すれば、自動で巡回飛行を行い、広範囲を効率的にカバーすることができます。さらにPVカメラによってリアルタイムで状況を確認できるため、単なる追い払いだけでなく、監視・記録・分析といった役割も担うことが可能です。つまり「防除」と「見える化」を同時に実現するツールと言えるでしょう。

対象となる動物も幅広く、カラス、イノシシ、シカ、ハト、サギ、アライグマなど、多くの現場で問題となっている種に対応しています。特に畜産現場においては、飼料のロス低減だけでなく、病原体の侵入リスクを下げるという観点でも非常に意義が大きいと感じます。衛生管理の高度化が求められる現代において、このような技術は経営の安定化にも直結するはずです。さらに興味深いのは、今後の応用の広がりです。屋根や施設への石灰水の散布、消毒剤の散布など、人が行うには手間と危険を伴う作業をドローンが代替する可能性が示されています。これが実現すれば、作業負担の軽減だけでなく、安全性の向上にも大きく寄与するでしょう。
 
このように考えると、ドローンは単なる便利な機械ではなく、「現場の構造そのものを変える存在」になりつつあるのかもしれません。人手不足、高齢化、コスト増大といった課題を抱える農業・畜産分野において、省力化と効率化を同時に実現できる技術は極めて価値が高いものです。

一方で、ふと視点を世界に移すと、ドローンは必ずしも明るい用途だけで使われているわけではありません。現在の国際情勢を見れば明らかなように、人を傷つけるための手段としても大量に使用されています。同じ技術が、使い方ひとつで「守る道具」にも「傷つける道具」にもなり得るという現実には、複雑な思いを抱かざるを得ません。だからこそ、小生はこのような技術が、現場を支え、人の暮らしを守り、生産を安定させるために使われていくことを心から願っています。害獣に悩まされる現場にとって、このBB102のような存在は、単なる機械ではなく、一つの希望になり得るのではないでしょうか。技術の進歩は止まりません。その流れの中で、私たちが何を選び、どのように使っていくのか。その選択こそが、これからの農業・畜産の姿を決めていくのだと感じています。

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今週の動画
直検手袋はねじりながら装着

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