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橋本匠護のコラム
中耳炎警報

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2026年2月13日

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なんだか最近、こういった症状を示す牛さんが増えてきました・・・。

そうです、中耳炎です。基本的にはマイコプラズマが関与しており、重症化すると平衡感覚を失ったり、鼓脹症になったりと非常に厄介な病気です。

中耳炎の発症要因は様々ですが、中でも「牛の免疫低下」は特に重要です。例えば、最近中耳炎で治療した牛の状況を振り返ってみると、以下のような感じになっていました。

ケース1:人工哺乳で離乳前のミルクを減らしている子牛
ケース2:自然哺乳で離乳後の子牛
ケース3:肥育前期で導入1ヵ月前後の肥育牛

実は上の3つケースは、すべて牛の免疫が低下しやすい時期になります。

ケース1は哺乳子牛にとってメインのエネルギー源となるミルクを飲む量が減り、エネルギー不足からの免疫低下が起きやすい時期です。もちろん一定量のスターターを食べているとは思いますが、完全にエネルギーを補いきれないことはあります。

ケース2も同様にミルクを飲まなくなったことによるエネルギー不足が関与しています。母子分離し、群管理に移行する場合は母子分離ストレス、群編成ストレスでさらに免疫が低下してしまいます。

ケース3は、肥育牛でのあるあるパターンです。導入後は輸送や群編成のストレスで免疫が低下しやすい時期です。また農場さんによっては粗飼料メイン、濃厚飼料は制限ぎみで管理されることもあり、粗飼料の品質、濃厚飼料の制限具合などによってはエネルギー不足になることもあります。

このように免疫が低下しやすい状態だったところに、最近の寒さによるストレス、エネルギー消費が加わり中耳炎の発生が増加したのでは?と推測しています。

中耳炎が増えた際、その根本にエネルギー不足やストレスによる免疫低下の関与が疑われるようなことが結構あります。中には対策が難しいものもありますが、可能な限り免疫が低下しないように対策をうつことは治療や予防において大事です。

もちろん、環境中のマイコプラズマを減らす衛生対策やワクチネーションも非常に重要です。「なんだか中耳炎増えたかも?」と思われた際には、ぜひ獣医師までご相談ください。
 
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