(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
伏見康生のコラム
NO.264:細菌性血色素尿症

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2013年12月25日

メリークリスマス!!
早いもので今年もあと1週間を切りました。

12月は牛にいろんなものをぶっかけられました(。-_-。)
羊水、尿膜水、尿、そして今日は泡沫性鼓腸症の吐物・・・
Tシャツもパンツもびしょびしょになりながらお産もしました・・・

何も12月にそんなことしなくてもいいのに

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さて先日珍しい病気に遭遇しました

市場で購入したばかりの母牛が起立不能ということで、数面先生に見に行ってもらい治療をしてもらったのですが、2・3時間後に甲斐なく死亡との連絡を受け死亡検案に行きました

ぱっと見た印象は何ともなかったのですが、膣や直腸に手を入れて検査していると・・・

NO.264:細菌性血色素尿症

どす黒い血液が出てきました!!

危険な病気のイメージが頭をよぎりましたが、よくよく精査していくと出てきたのは血尿でした

これだけ真っ黒い血尿が出るのは、重度の全身性の溶血もしくは膀胱や腎臓の血管の破綻があった可能性が示唆されます

すぐに思いつく病気は2つ
1つ目はワラビ中毒による膀胱腫瘍
2つ目はクロストリジウム・ヘモリティカムによる細菌性血色素尿症

どちらもかなり珍しい病気ですが、2つ目の細菌性血色素尿症は普通の農家さんや獣医が出会うことはほとんどないと思います

もしこの子が細菌性血色素尿症であった場合、私は何の縁かこれで2例目の遭遇になります

年明け後鹿児島大学にPCR検査をお願いする予定です

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