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蓮沼浩のコラム
第554話:再度、飼養管理基準について

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2019年1月31日

 出張に行ったら、実家に寄ることがあります。自分の親父とお袋に会って、3人で食事にいくのが毎回の恒例行事。実家にとっては迷惑このうえないと思うのですが、自分では勝手に親孝行と思っています。

 なかなか岐阜県での豚コレラがおちつきませんね。7例目が発生しています。野生のイノシシに感染がひろがっていることが問題を難しくしています。日本で発生している豚コレラは100頭以上のイノシシに感染が確認されているので、本当に油断ができません。そして中国ではアフリカ豚コレラがあります。こちらもいつ日本に入ってきてもおかしくない状況です。グローバル化が進むと伝染病という観点からは、海外から様々なものが入ってくるリスクが高くなるので本当に今まで以上に防疫体制を強化することが重要になります。

 養豚ばかりに注目していたら、今度は韓国での牛の口蹄疫の発生の報告がありました。1月26日にO型が確定し、1月30日にも2例目の検査を実施している状況です。養豚業界だけでなく、牛飼いさん達も本当に気をつけなくてはいけません。特にこれからは要注意しないといけない時期と言われています。改めて飼養衛生管理基準をしっかりと読んで把握しておくようにしてください。農林水産省のホームページから確認できますので、何卒よろしくお願いいたします。

 2月になると日欧EPAが始まります。これで日本の畜産物をヨーロッパに輸出することができます。しかし、豚肉関係は残念ながら輸出することはできません。もちろん豚コレラが日本で発生しているからです。そして今、和牛の世界では世界に日本の牛肉を売っていくことに活路を見出していますが、もしも日本に口蹄疫が入ってくれば一発で清浄国への輸出がストップしてしまいます。牛肉業界にとって、とても大きな問題になります。

 本当につくづく思います。これからの畜産業は、防疫体制という点においても、大きく変わってくるのだろうなと。
 
 「蓮沼先生。国のいう事もわかるし、先生のいう事も良くわかる。現場ももちろん頑張って飼養衛生管理基準に準じて管理を進めていきます。そこは当然やっていきます。でも、全部現場でやってくれというのはいかがなものでしょうか・・・・・・」

 色々なご意見がある、本当に難しい問題です。養豚や養鶏と牛飼いさんとの温度差も大きいと言われています。しかし、とにかく牛飼いさんも飼養衛生管理基準をまずはしっかりと読んでみて、出来るところから始めてみてください。

 畜産をする以上は「飼養衛生管理基準?何それ?」ではこれからは通用しなくなる時代がきていますよ。

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