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蓮沼浩のコラム
第548話:アニマル・ウェルフェア その8

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2018年12月13日

 アフリカ豚コレラの中国での広がりかたは不気味ですね。発生個所の分布をみても、明らかに異常だと思います。何が起きているかはよくわかりませんが、今後の動きは色々な面で注視しておく必要がありそうです。

 長々とアニマル・ウェルフェアに関して駄文を書き連ねてきました。今回で最後にいたします。
 
 小生は何度も話していますが、様々な牧場を見てきて日本の畜産業ではアニマル・ウェルフェア、つまり「快適性に配慮した家畜の飼養管理」が残念ながら遅れていると感じています。去勢や除角時期に関してはかなり難しい問題もありますが、少しでも多くの農家さんが毎日大変なのは百も、千も承知ですが、牧場を改善していく方向に進んでいただけたらうれしいなと思っています。「アニマル・ウェルフェアの考え方に対応した肉用牛の飼養管理指針 第四版」には以下のように書いてあります。

曰く、

アニマル・ウェルフェアの考え方に対応した飼養管理とは、最新の施設や設備の導入を生産者に求めるのではなく、家畜の健康を保つために、家畜の快適性に配慮した飼養管理をそれぞれの生産者が意識し、実行することである。

曰く、

アニマル・ウェルフェアへの対応において、最も重視されるべきは、施設の構造や設備の状況ではなく、日々の家畜の観察や記録、家畜の丁寧な取り扱い、良質な飼料や水の給与等の適正な飼養管理により、家畜が健康であることであり、そのことを関係者が十分認識して、その推進を図って行く必要がある。

 シェパードには松本大策院長の思いがこもった小生の大好きな言葉があります。

「 しあわせな牛飼いをしようよ 」

ホームページトップに書いてあります。

皆さん、しあわせな牛飼いをしていますか?
しあわせな牛飼いをするには、牛さん達が元気で健康でしあわせでなくてはいけないと思います。

大変なことかもしれませんが、小生はとても大事なテーマだと思っています。

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