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戸田克樹のコラム
第91話「DEBESOに注意~判断基準その①~」

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2016年6月22日

突然ですが問題です。
サラリーマン獣医師の戸田が毎月必ず楽しみにしていることはなんでしょうか。

正解です!お給料日です!!

給料日には嫁はビール、戸田はコーラでお祝いです。戸田はアルコールに弱いので、コーラです。コーラも立派なぜいたくです。
笹崎獣医師には「先生、今日はコーラでお祝いっすね☆」といじられます。
嫁の笑顔とコーラのために、今月もお仕事がんばります。

農家さんから「子牛のへそが腫れている」という稟告で往診に向かいました。
さて、「へそが腫れている」という稟告を受けたとき、獣医師の脳内ではどんな思考がめぐっているのでしょうか

① 戻るか戻らないか
まずはへその膨らんだ部分が腹腔に戻るのかどうかを確認したいところです。
「ぼろん」と垂れているへその上に穴があって、そこに押し込むととりあえずは戻る場合、それは「臍ヘルニア」です。
穴はヘルニア輪と言います。通常は閉鎖されるはずの腹膜に隙間があいてしまい、腹腔臓器が皮下に漏れてしまった状態です。

ヘルニア輪からは第四胃を包む「大網」という網状の組織がよく出てきます。

触ると「ぐにゅにゅぅ…」という触感がします。「ぐにゅにゅぅぅぅ…。」です(笑)。
次に第四胃、小腸がヘルニア輪から脱出しやすいです。ちなみに戸田はまだ小腸が脱出した症例に出会ったことがありません。

怖いのが第四胃や小腸が脱出した場合。消化管内容物の通過障害が発生してしまうことです。ヘルニア輪に「がちっ!!!」とはまって消化管が動けなくなってしまうんです。

では、「戻らんぞ。どげんすっとな。」となった場合はどうでしょうか。
次に可能性があるのが臍帯炎か臍膿瘍です。

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