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蓮沼浩のコラム
「第24話 「術後あれこれ」」

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2007年3月8日

 無事手術が終わったら農家さんに注射ポンプを渡して毎日朝晩尿を出してもらいます。膀胱に尿がたまっていればカテーテルからポンプで引けば後は自然と尿が出てきます。套管針を刺しているので骨盤腔の刺した側は幾分出血があるので枝肉にしたときはその場所が使えませんがほとんど肉には関係ありませんので尿毒症で全廃棄となることを考えればいたしかたないかもしれません。注意しなくてはいけないのは出荷する場合必ずBUNの値だけはモニターしておく必要があります。そしてBUNも正常範囲で問題なしと判断が出てから出荷します。尿道内膜が炎症を起こして狭窄している②の場合は抗生剤や消炎剤で治療していると1週間から10日ぐらいでうまくすればバイパス手術をした尿道から排尿します。排尿するようになったらカテーテルをはずして終了です。坐骨直腸窩膀胱瘻形成術は応用範囲が広く非常に使えます。とにかく膀胱にカテーテルを通し、排尿させることが出来るのですから。そして次の手を考える時間がもてるのです。ここは尿石症の診療の中では非常に重要なポイントです。でも、せっかくカテーテルを通しても残念ながら色々な問題がある場合があります(涙)。次回はそのあたりについて検討してみようと思います。
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