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松本大策のコラム
「肺炎の防除のお話7 消毒も効果的その2」

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2007年1月25日


 細霧装置は、とても細かい霧を出す装置で、タイマーで1時間ごとに10分作動、という感じで自動運転します。この中に消毒薬を入れておくと空中のばい菌やウイルスを細かい霧が吸着して消毒したり、地面にたたき落としてくれるというわけです。
 消毒薬はクリアキルやロンテクトなどの逆性石けん液を使用することが多いのですが、農場によってはマイター(養日化学研究所)などの色素剤を使用することもあります。色素剤は、殺菌力もありますが、細かい霧で子牛が吸い込んだとき子牛の気管や肺の粘膜を色素剤がコーティング(着色するんですね)し、ウイルスが粘膜にとりつくのを防ぐ、という効果があるのです。
 もう一つ変わった消毒法ですが、プルスフォグ(ジェット煙霧器)という機械で空気全体を消毒することもできます。この機械は、薬剤を煙にしてジェットエンジンで噴霧する物で、これにグルタZ(ゼノアック)というグルタルアルデヒド系の消毒薬を使うと、空気中のウイルスや雑菌の殺菌をするだけでなく、肺炎の大きなきっかけとなるアンモニア(家畜の糞尿から出るションベン臭いガスで、肺粘膜のバリアを壊してウイルスやばい菌が感染しやすくなる)を中和除去する力もあります。プルスフォグとグルタZの詳しい使い方に関しては、専門家のゼノアックさんに掲示板に投稿していただきましょうかね(らくちん!)。
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