(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
池田哲平のコラム
「牛の解剖63: 胃(まとめ) ~ウシのキモ!~」

コラム一覧に戻る

2010年11月26日

 今回で、胃の話は終わりになります。反芻動物が単胃動物と最も大きな違いを見せる器官であり、反芻動物の要となる器官でもあります。脳や心臓はどの動物にとっても最重要な臓器であり、そこで起きる病気は即命取りになるものも多いですが、反芻動物の胃、とりわけ第一胃(ルーメン)は、この二つの臓器と同じくらい大事なものです。ウシにとってルーメンの破綻は命にかかわります(詳しくは伏見先生のコラム「急性RA警報発令」を参照)。
 質のいい肥育牛を作るためには、ルーメンの安定が必要不可欠です。ルーメンが不安定だと、それ以下の消化管にも負担が来ますし、呼吸器病や肝臓の病気、さらには泌尿器の病気を継発することもあります。
 胃全体のまとめのつもりが、ルーメンの話ばかりになってしまいましたが、それほどウシにはルーメンが大切だということの裏返しだと思ってください。

 ルーメンの健康なくして、
           ウシの健康なし!

|