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原田みずきのコラム
高熱

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2019年10月18日

10月も後半に差し掛かり、日中もそこまで気温が上がらず過ごしやすい季節になってきました。往診中は窓を開けて金木犀の匂いを吸い込みながら運転しています。

写真は上場(うわば)高原のコスモス園です。3ヘクタールの敷地に25万本のコスモスが咲き乱れています。ちょうど今くらいが見頃らしく、毎日たくさんの見物客が訪れていて、出店も出ていてとても賑やかです。

涼しくなってきて個人的には嬉しいのですが、牛さん的には厳しい季節になってきました。今往診にうかがっている農家さんでは、朝晩が冷え込むせいで風邪にかかり熱発する牛が多発しています。特に導入したばかりの牛や、群飼いされている子牛の間で風邪が広がっています。農家さんから「餌に寄ってこない」とか「なんだか元気がない」と言われて体温計を挿すと41℃近い発熱ばかりです。この秋計測した最高体温は41.7℃でした。

40℃以上の高熱が出るとほとんどの牛さんはぐったりして、餌食いが落ちて胃の動きも止まります。しかし、高熱を出しているにも関わらず元気に走り回り、モリモリ餌を食べて反芻している牛さんもいます。こういう牛さんは発見が遅れてしまうので困りものですね。発熱しながら元気に暴れまわっている牛さんたちを見ると、「発熱ってなんだっけ?」「なんで熱が出ると良くないんだっけ?」と今まで当たり前だと思っていたことが不安になってきます。なので、次回のコラムからは発熱の機序について説明していきたいと思います。

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