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戸田克樹のコラム
第248話「炎症をどう扱おうか③」

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2019年8月21日

シェパードでは獣医師を募集しています
 シェパードでは、関東地区の獣医療が不足している地域を支援するため、栃木県那須塩原市に支所を設けることにいたしました。2020年の4月に開設する予定です。経験、未経験は問いません。シェパードで研修後、現地勤務となります。募集内容は こちら から。

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今日から4日間、山口大学にて大学院のセミナーを受講しております。
在学生には留学生も多く、講義はすべて英語です。ここはジャパンのはずなのですが、そんな戯言は通用しません。同級生には社会人学生も多く、小動物も大動物も公衆衛生も様々な分野で活躍されている先生方がいらっしゃるので刺激をいっぱいもらって帰ってきます。
 
 
ヒスタミンとロイコトリエンの共同作業
血管の中には血液が流れていますが、普段は血管壁がピシっと閉まっているため中身が漏れることはありません。

ヒスタミンには血管透過性を高める作用がありました。「血管透過性が高まる」とはどういうことなのでしょう。

図のように、隙間がいくつもあいた状態に変化するというわけです。

さらに、ロイコトリエンには白血球に移動指示を出す作用がありました。病原体は血管の中にいることもありますが、たいていは血管外の細胞に感染し、そこで増殖します。つまり、白血球には血管の外に出て戦ってもらわないといけないのです。通常は血管壁がピシっと閉まっているわけですから、簡単に外にはいけません。しかし、ヒスタミンのような成分のおかげで隙間が空いていると、簡単に組織に出て病原体を退治しに行けるというわけです。

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