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笹崎直哉のコラム
蹄を痛がる牛さんには②

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2019年8月20日

シェパードでは獣医師を募集しています
 シェパードでは、関東地区の獣医療が不足している地域を支援するため、栃木県那須塩原市に支所を設けることにいたしました。2020年の4月に開設する予定です。経験、未経験は問いません。シェパードで研修後、現地勤務となります。募集内容は こちら から。

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 では、白帯病の発生原因についてみていきましょう。まず削蹄不足が考えられます。その次に蹄葉炎(慢性的なルーメンアシドーシス)が考えられるため、牛さんに与えている餌に問題があったり、粗飼料と濃厚飼料の食べ方が不安定な場合は要注意です。白帯病は前回ご紹介したように、膿瘍形成まで進んでしまうと、明らかな跛行を示し、限局した疼痛がみられます。さらにそこで排膿しないまま残っていると、化膿巣が広がり、疼痛が増していく可能性があります。放っておくと蹄関節まで炎症が波及する恐れがあります。
 なので跛行時の診断では「蹄を持ち上げて、叩いて牛さんの反応をみる」というのは重要な技術になってきます。

 治療は削蹄を行うことが一番の肝です。正常な蹄形になるように削蹄しましょう。
 異物が詰まり感染を起こした蹄壁を削蹄により削切し、排液を促します。そうすることで痛みが和らぎ、さらに白帯部に異物が詰まることを防止します。基本的には細菌感染を考慮し、抗生物質を3~5日間投与します。その後状況に応じて蹄患部に軟膏を塗布し、包帯で固定して様子をみていきましょう。

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