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戸田克樹のコラム
第232話「どうして太っちゃだめなのさ①」

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2019年4月24日

残念ながら、鹿児島でもついに「夏日」と呼ばれる日が発生してしまいました。
運転中は爽やかな風を感じられますが、牛舎で牛の保定や治療を行っていると気づけば汗ばんでいます。そして、夕方になるとにおいます!今年はどうやらスメルハラスメントの加害者になりそうです。着替えを診療車につんでおかねば!!!( ゚Д゚)

さて、肥育牛はどんどん体を大きくして、枝肉重量のある立派な体つきになってくれないといけませんね。血統の影響はありますが、子牛もDGがより高く、体重の乗った個体が高値で取引される傾向にあります。しかしながら繁殖母牛となるとそうではありません。

よく、地元の農協さんからの配布物などで「母牛は太らせないようにしましょう」、とか「適正体重の維持に努めましょう」とか、「過肥がないように管理しましょう」などという文面が書かれているのを目にします。同じ牛でも繁殖母牛は太らせてはダメ!という扱いが基本です。農家さんによっては、少し太めの方が受胎率がいい気がする、あるいはすごく痩せているように見えるけどこれでも年1産だよ、という方はいらっしゃいます。牛にも個性があるように、その個体にあった体重というのは存在しますから、一概に何歳で何kgがいいということは言えません。
しかしながら、「母牛の肥満=繁殖成績によくない」という基本的な考え方があるのにはきちんとした理由があるはずです。一体それは何なのでしょうか…(つづく)

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