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松本大策のコラム
コンビニのPOSシステムってご存じですか?

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2019年4月12日

 はい、またまた松本がネタに詰まってるな?と感じたあなた。スルドイ!!ぜひその観察力を牛さんの管理に活かしましょう(笑)。

 でも、今回のお話は、現代の消費構造につながるお話なので、見捨てないで読んでくださいね。

 POSシステムというのは、レジで商品に付いたバーコードをピッとやるだけで値段を計算してくれる、あのシステムです。
 ただ、あのシステムは、購入した商品の会計を計算するためだけにあるのではありません。ネットで見つけた図でも解るように、コンピュータが「何が」「いつ」「何個」売れたか?とかレジを打った人間は誰か?とかの情報を集計しているのです。

 POSシステムは、これらの情報を元にして「(この時期は)どんな商品がたくさん売れるか?」を導き出して、次の品揃えの際に、効率よく売れるものだけを仕入れるようにアドバイスするのです。

 しかし、ここには大きな落とし穴があるのです。少し考えてみましょう。もしも、売れ行きのよいものばかりが並ぶようになれば、「コアなファンがいるけれど全体の中ではそれほど売れない商品」は除外されていきます。次に仕入れる商品には、もちろんそんな商品はラインナップされません。そして試験的に新商品は仕入れられます。すると次にコンピュータが「これが売れるよ」と判断できるものは、「今、店舗に並んでいる商品の中で」という枠の中でしか考えられません。

 どんどんこういう淘汰が進むことで、ほんの少しの差で次点だった商品は、日の目を見なくなり市場から淘汰の憂き目に遭います。コンピュータには人の心と違って、冷徹に「データのみ」しか判断材料にしませんし、人間では重要なファクターである「あいまいさ」も今のところ十分に持ち合わせていません。

 コンビニをのぞいてみてください。TVのCMではあれだけ流れている「とんがりコーン」は、九州ではほぼ見かけません。関東以北でカールが販売終了したのも、意外にこのあたりが原因じゃ無いか?と考えています。商品陳列に制約のあるコンビニ主体で売れ行きを考えていくと、次第に選択肢の狭い市場になっていくのでは無いかと懸念しています。
 
 
(おまけ)
コンビニで売っているチロルチョコは、なぜ少し大きいのかご存じですか?
あれはバーコードが印刷できる限界の大きさだからです。

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