2019年4月8日 今回のお肉は、かれこれ12年前に相談をお受けしたものです。相談内容は「お肉の中に干しぶどうのようなものがある」というものでした。 最初にお話を伺ったときは、「はぁ?いったいどういうこと?」と思ったのですが、写真を送っていただいたものを確認してみると、なるほど干しぶどうです。 「お肉の中にレーズンが入っているなんて、なんかお得じゃん!」というわけにもいかず、類似の症例を探してみましたが、なかなか見つかりません。 せめて現物があれば、顕微鏡で調べるなり出来たのですが、写真から推測するしかありません。いろいろと過去の経験などを引っ張り出して、とりあえず考えついたのは「髄外造血」というものでした。 「髄」とは骨髄のことで、普通はここで血液が作られます。造血細胞とか、造血幹細胞というものから作られるのですが、興味のある方は「マンガ 働く細胞」をググってみてください。国家試験前の獣医師の卵さんにもお勧めしますよ。マンガだから、すんなり頭にも入ってきやすいですしね。 話が横道にそれましたが、何らかの原因で骨髄が血液を作ることが出来なくなった場合、どこか他の場所で血液を作る必要が出てきます。こうして骨髄以外の場所で血液を作ることを「髄外造血」というのです。 そして、これが筋肉内で作られた結果、血液を作る部分が、まるで干しぶどうのような形状で筋肉中に存在したのではないか?と考えました。 ただ、この診断は決着が付いていません。なにかアドバイスのある方がいらっしゃったら、どうかご連絡ください。 前の記事 シコリのお話 その3~正しい皮下注射の打ち方【補足】~ | 次の記事 コンビニのPOSシステムってご存じですか? |