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ワクチンの正しい使い方 その3

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2019年3月15日

 前回の続きです。

 その他、ワクチンを併用すると免疫の取得の面でも不利になります。

 例え話しですが、トヨタ自動車の工場に生産ラインが10本あるとします。この工場でカローラだけ作るとしたら、一度に10台作ることができますよね?でも、カローラとランクルとクラウンとレクサスとハイエースの5種類の車を作るとしたら、一度に2台ずつしか作れません。この他に、ヴィッツ、マークX、プロボックス、スパシオ、フィールダーまで作れって言われたら、一度に1台ずつしか作れません。さらにアクシオだのアリオンだのファンカーゴだの、いろいろ作れと言われたら、どれから作ったらいいか解らなくなってしまいます。
 ワクチンの場合も、これと同じというのは乱暴なのですが、ま、似たようなものです。きちんと一製品ずつ使いましょう。

 それから、ワクチンと別のワクチンを打つには、間隔を一週間開けましょう。酪農家さんなどで乾乳期にワクチンを打ちたいから、泌乳舎から乾乳舎に移動するとき、つかまえた際に一度に打ちたいという事で3つのワクチンを混合して打っている事例もありましたが、混ぜるな危険!です。

 それだけでなく、それぞれのワクチンの意味を考えなくてはなりません。下痢五種混やボビバックB5は、初乳を介して子牛に免疫を与えるためのものです。これに対して、異常産3もしくは4種混合ワクチンは、お母さんが奇形児や流産を起こさないために打つものです。このワクチンで防がなければならないのは、ヌカカやサシバエといった「吸血昆虫」が媒介するウイルスですから、これらの吸血昆虫が活動する時期に効果を発揮しなければ意味がありません。ワクチンの効果はメーカーさんによれば一年近く、となっていますが、実際は半年と考えた方が安全でしょう。そう考えれば、このワクチンは4月ごろに打つのが効果的です。

 下痢5種混とかボビバックB5は、初乳を与える前3週間までに、最後のワクチンを打つのが望ましいのです。

 酪農家さんでも、泌乳後期なら搾乳の際に保定してあるので、苦にならず打つことができるはずです。ワクチンは泌乳期でも打つことができますから、各ワクチンを一週間間隔で打つように(しかも不活化ワクチンは、できたら毎年2回、少なくとも初産の際は2回打たなければなりませんから最高4回のワクチン摂取が必要です)プログラムを考えましょう。

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