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第221話「治療と直接関係のない情報の有用性」

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2019年2月6日

弊社診療所の診療エリアではすでに梅の花や緋寒桜が咲き誇り、日中はすでに春の陽気すら感じられる日もあります。鹿児島の冬はどうやら終わったようです。

農場(建物の外)で診療業務を行う牛の獣医師は治療牛の症状や投薬内容などはノートに記録を取り、診療所に戻ってからカルテに起こす作業を行うことが多いです。
ノートには熱、呼吸数、心拍数、牛の様子、稟告内容、便性状などなど、治療に必要となる情報を記載していきます。しかしながら最近は「直接治療に必要ではない情報」もメモ程度に記録を残すようにしています。

例えば…
「農場に新スタッフがやってきた!」、「お父さんが腰痛でダウン」、「スタッフがインフルエンザにて複数名欠勤中」、「ハッチの数が増えてきた」、「最近事務所がきれいに片付いている」、「牛舎に繁殖管理用のホワイトボードが新たに設置されていた」、「お孫さんが正式に後継者として今月から勤務開始!」、「事故0目標!と事務所に書いてあった」などなどです。

こうした情報は目の前で治療をしている牛さんとは直接関係ないように見えます。
しかし、牛さんは管理者である人間の影響を大きく受けます。スタッフの様子や農場の雰囲気の変化などをいち早く感知することで「人が管理している牛の変化」をより察知できる、あるいは予測できる場合があるように思うのです。

事務所がきれいであれば、仕事や気持ちに余裕があり、いいサイクルに入っている証拠です。
急きょ働き手が減れば牛さんの管理がおろそかになる危険性があります。

「木を見て森を見ずにならないよう気を付けなければならない」と、家畜診療の現場ではよく注意されることがあります。牛さんや農場の経営の現状をもたらしている背景が何なのか、近頃はそこをきちんと発見できるように努力しているところであります。

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