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「和牛への支援と将来展望(出雲普及員のコラム第5弾-9)」

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2019年1月11日

9,自由貿易と日本農業
 
 アメリカの強力な指導により進められてきたTPPですが、トランプ氏が2017年1月20日の大統領就任直後にTPP離脱を支持する大統領覚書にサインして、見事なちゃぶ台返しで協定を反故にしました。協定発効に向けて、日本国内で黒船来襲以来の大騒ぎをしていたのは、何だったのでしょうか。TPPの是非には色んな意見があり、特に日本農業にとっては国内における影響が大きすぎると反対意見が多かったのですが、世界における自由貿易の流れは止められないのが現実です。

 TPP後は、FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)など、頭の固い私にはなかなか理解が難しい言葉が次々と出てきました。FTAは国と国(または地域)のあいだで関税をなくして、モノやサービスの自由な貿易を進めることを目的とした協定です。EPAはFTAを基礎としながら、関税の撤廃だけではなく、知的財産の保護や投資ルールの整備なども含め、さまざまな分野で経済上の連携を強化することを目的とした協定となっています。いづれにしても、国家間の自由な貿易を推進するための協定です。

 世界の大きな流れに抗うことは困難です。協定を結びながら、日本の農業に対するダメージを極力少なくするために、国内対策をどうするかが重要になってきます。国内対策には国家予算が必要となります。その予算を認めるかどうかは、選挙権のある我々一人一人の国民の考えが大きく左右します。国内農業が大事だと考える国民が多ければ、農業のための税負担は厭わないでしょう。

 日本農業が大事で、その農業を守るために農家の方々がどれだけ努力しているかが、国民に理解されることが重要だと、私は思っています。安易に輸入農産物に頼らず、賄えるものは国内で自給することを基本に、国民の皆様に安心安全で良品質な農畜産物を届ける努力を惜しまないことが、農家には求められています。

 それにしても農家戸数の減少が止まりません。先行きが明るい農業でなければ、後継者は安心して家業を継げません。農業が将来性ある産業であることを、国として示して欲しいと思います。


消費者に農業のことを理解して頂くことも大事です

つづく

技術士(農業/畜産) 出雲将之
 
 
~ 出雲普及員のコラムシリーズ ~

出雲普及員のコラム第1弾「幸せな牛飼いとなるための10カ条-1

出雲普及員のコラム第2弾「厳しい時こそ「カイゼン」のチャンス-1

出雲普及員のコラム第3弾「牛さんの気持ちになって考える

出雲普及員のコラム第4弾「牛さんとわたし
 
 

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