2018年12月14日 6,記録に残す 雑誌編集部から原稿執筆の依頼があったら、断らないことを私はモットーにしています。ストーリーを組み立てたうえで文章を書き、写真や図表で補足しながら読者に理解しやすいように仕上げていくことは、しんどい作業です。でも、原稿を執筆してきたなかで思ったのは、書くことで頭の中が整理できるということでした。 現場では、理論に裏打ちされている技術を、農家さんに応じてアレンジしながら実践してもらうことで、良い結果が得られることがあります。それに至った経過などを記録に残していく作業を、私は雑誌という媒体の中で行ってきました。当然、読んでくれる読者に理解しやすいように書く作業は大変です。でも、書くことを通じて、駆使した技術とその結果や過程が頭の中で反芻でき、それが普遍化することで、色んな農家さんの参考になる技術となります。 シェパード家畜診療所の獣医さんたちが、コラムを継続して執筆されているのも同じねらいからだと思います。それにしても定期的に必ずコラムを書き続けている、シェパードの皆さん方には頭が下がります。コラム内を検索できる機能をつけてくれたので、「おばあちゃんの知恵袋」的な使い方ができ、私は大変重宝しています。 私は農家の実践技術の中に有用な技術があると思っています。試験場や大学などの研究機関から流れてくる、色んな試験成績も重要な技術です。でも、それを現場に落とし込んで使うことが出来て初めて、使える技術と言えると思います。色んな技術や考え方はありますが、牛さんが満足してくれる技術が本当に正しい技術と言えます。 そういう意味で、牛さんとの対話が出来る経営者が、優秀な農家さんだと私は考えています。 つづく 技術士(農業/畜産) 出雲将之 出雲普及員のコラム第1弾「幸せな牛飼いとなるための10カ条-1」 出雲普及員のコラム第2弾「厳しい時こそ「カイゼン」のチャンス-1」 出雲普及員のコラム第3弾「牛さんの気持ちになって考える」 出雲普及員のコラム第4弾「牛さんとわたし」 |