2018年11月30日 4,最後の普及活動 この時は、酪農学園大学や倶知安農業高校など、若い人向けに講習をさせてもらったことが印象に残っています。酪農学園大学では、150人の1年生を対象にして「実践酪農学講座」で、「牛肉を取り巻く情勢と和牛繁殖経営の現状」と題して講義をさせてもらいました。講義終了後に学生全員から、講義の感想を書いたレポートをもらいました。90分の講義でしたが、レポートを読んで、若い学生が知識の吸収力に優れていることを実感しました。若い人は素直な感性で、人の話を聞くことが出来るからでしょうか。人生経験を積みすぎると、人の話を疑心暗鬼で聞いてしまうことが多いように思います。 知識や技術を持っていることは技術者にとって非常に大事ですが、それを対象に理解してもらえるように上手に伝えなければ、持っている知識や技術は宝の持ち腐れとなることを、学生の反応から学ばせてもらいました。難しい技術でも平易な言い回しや表現、図表や写真を駆使して、理解してもらう努力を怠ってはなりません。これは農家さんに対する研修会にも通じることです。 後志振興局で私は定年退職となったので、38年間の普及員時代を振り返って、職員に対して退職記念講演をさせて頂きました。新人で赴任した留萌での9年間の普及員生活から、併せて10か所の勤務地を経験したなかで、思い出に残ることを通じて、後輩たちの参考になればという思いで講演させて頂きました。そういう機会を作ってくれた仲間に感謝です。 つづく 技術士(農業/畜産) 出雲将之 出雲普及員のコラム第1弾「幸せな牛飼いとなるための10カ条−1」 出雲普及員のコラム第2弾「厳しい時こそ「カイゼン」のチャンス−1」 出雲普及員のコラム第3弾「牛さんの気持ちになって考える」 出雲普及員のコラム第4弾「牛さんとわたし」 |