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戸田克樹のコラム
第210話「ハッチの床材①」

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2018年11月14日

今年は予想通り暖冬のようですが、それでも朝晩は冷え込みます。
そろそろヒーターを設置して点けてみましょう。もしかしたら「子牛の数に対してヒーターが足りない!」とか、「こわれていた!」なんてケースがあるかもしれません。備えあれば憂いなしですね。

ところで皆さん、ハッチの床の状態はどうでしょうか。定期的な床替えは行っていますか?子牛が寝ている床を、早朝や夜間に触ってみてはどうでしょう。その時間帯で「冷たいっ!」となれば、子牛がお腹を冷やしてしまっていることになります。べちゃべちゃな床だと体温がどんどん奪われてしまいます。体温維持のために余計なカロリーを消費してしまい発育不良に陥る危険性もあります。また、おなかの中には腸管関連リンパ組織(GALT)という免疫の要塞ともいえる重要な組織があります。この組織には免疫細胞も集中しているため、そこを冷やす(=その免疫機能を弱体化させる)ことに何らメリットがないことは明白です。

繁殖農家さんが敷いている床材にはいくつか種類がありますね。皆さんのところはおがくず(のこくず)でしょうか、イナワラでしょうか、それとも、もみ殻でしょうか。農家さんごとに好みがありますので一概には言えませんが、個人的にはワラが好きですね。

つづく

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