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松本大策のコラム
敷料について考えよう(特に子牛)

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2018年10月22日

 みなさん、今年もこれからまた寒い時期を迎えますね。お布団もそろそろ冬物を出してこなきゃいけません。北の方ではすでに用意なさっていることでしょう。同じように、子牛たちにも「冬のお布団」を用意してあげましょう。

 みなさんちの子牛の床は、どのような状況でしょうか?床がしっかり乾燥して、ふかふかの敷料の上にいる子牛は、病気にも強いものです。これは、子牛の免疫の中心が、おなか(小腸のGALT:腸管免疫機構)にあるからです。そして、ここの温度が1℃低下すると、子牛の免疫は8%も低下してしまうのです。

 床がぐちゃぐちゃで、夜になると人間も立っていられないような環境で子牛を飼育しておいて、下痢だ肺炎だと高価な抗生物質を使用しても、ほとんど効果はありません。
 しっかりと床を乾燥させて地面からの冷気を遮断し、ふかふかの敷料を敷いてあげておくと、子牛は病気にもかかりにくく、また治りもよいものです。

 地面からの冷気の遮断には、100円ショップで売っているお風呂用のバスマットを敷くと安く付きますし、発泡ウレタンとかでできていますから、しっかり断熱してくれます。
 できればスノコの上にマットを敷いて、その上に敷料を敷くのが、尿などで床がぬれるのも防げますし、保温の意味でも効果的です。
 スノコがなければ、バスマットの上に籾殻や麦わらを敷いて、さらにその上に敷料(稲わらなど)を敷いてあげると、籾殻や麦わらは水分をため込まず下に通すので、その上の敷料が長持ちします。

 「そんな敷料にまで稲わらを回す余裕はない」と反論されることが多いのですが、そういうときこそ発想の転換です。抗生物質につぎ込むお金を、購入の稲わらや粗飼料に回して敷いてあげましょう。お薬代と比べれば安いものですし、効果も高いですよ。

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