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蓮沼浩のコラム
第539話:輸出とは言っても・・・

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2018年10月11日

 小生の家で飼っている金魚の中から2匹を事務所の水槽にうつしました。一気に診療所の雰囲気が変わって非常にいい感じです!やっぱり、金魚はいいな~~~。

 前回のコラムで、日本の牛肉輸出量は2017年の結果では2707トンであると紹介いたしました。輸入量に比べれば本当に微々たる量ですが、多くの肉用牛関係者の方々と話すと、今後日本の牛肉の輸出量は間違いなくさらに増えてくるというお話をよく聞きます。伸びしろはかなりありそうです。

 しかし、ここで問題となってくるのが、国ごとに違う規制や宗教や貿易協定などになります。例えば有名なものとして、イスラム圏では「ハラール」という特別なと畜方法でと畜した牛肉以外は食べてはいけないなどというものもあります。最近は日本とEUとの貿易協定も結ばれましたが、EUでは特に「アニマル・フェルフェア」に関する規定に厳しいものがあります。「グローバル・ギャップ」という認証基準を満たしていなければいけない事例もあります。本当に輸出や輸入というものは、ただ単にモノを作って相手国と商売すればいいわけではなく、様々なハードルを越えなくてはいけない結構大変な面がありますね。

 日本では農場HACCPやJ-GAP、アニマルウェルフェア、抗菌薬の規制などが今までとは比べものにならないくらいに広がってきています。食肉処理場なども、大きなところはほとんどがHACCP認証を取っています。世の中の大きな流れやこれから5年先、10年先の世界を意識していることは間違いなさそうです。東京オリンピックなども大きな転機となりそうです。選手の中には、アニマル・フェルフェアをしっかりと行っている畜産物以外は食べないという方々もいらっしゃるというニュースもありました。

 これからの未来に向けて、できるところから何か一歩を踏み出していきたいですね。さて、今から笹崎獣医師と新しい手技の手術をやってきます。些細な事でもいいから、一歩ずつ前進です。

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