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蓮沼浩のコラム
第537話:最終的にはやはり・・・

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2018年9月27日

 猛烈な台風が近づいてきています。今の内からできる対策はしっかりと取っておきたいですね。小学校の運動会も延期になりそうな気配です。

 先日家畜保健衛生所の先生とお話しする機会がありました。すると、色々な話題の中で、薬剤耐性菌の問題がテーマとしてあがりました。今までも言われていたことですが、ここ最近は畜産分野では耐性菌問題がかなり現場でクローズアップされてきている感じです。おそらく、この流れはいろいろな意見もあると思いますが、今後もさらに続いていくことは間違いなさそうな気配です。実際に配合飼料やミルクにはコリスチンのような抗菌薬をメーカーさんが入れることが出来なくなっています。

 このような流れの中で、どのような方向に向かっていけばよいのでしょうか。小生としては、昔からず~~~~~と思っていますが、飼養衛生管理から疾病を極力減らすように努力していくしかないと思っています。幸い小生は仕事柄非常に多くの牧場に足を運ぶ機会があります。牛さんの治療も山ほどやってきました。そこでつくづく思うことは、「これでは病気が出て当たり前である、出ない方がおかしい」という現場の現実になります。もちろん素晴らしい農場も沢山ありますが、ぶっ飛んでいる農場もゲップがでるほど見てきています。牛さんの疾病のほぼ9割は人さまが引き起こしているようにも感じます。そこには農場ごとに多くの問題があり、改善していくことは簡単なことではありません。  

 これから薬剤耐性菌の問題を考えていく上での最終的なゴールは、飼養衛生管理を改善していくことで、疾病の発生を極力減らし、その結果抗菌薬の使用量を減らしていくことではないかと考えています。感受性試験などももちろん大切です。最終的にはやはり牛さんの病気が出ない飼養衛生管理を目指すところが王道ではないでしょうか。散々現場で検査したり治療したりしてきた一人の獣医師として思うところであります。理想論なのはわかっているけど・・・・。

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